高度利用者向け緊急地震速報システムについて
一般向け緊急地震速報との違い
緊急地震速報にはテレビやラジオ・携帯に配信される「一般向け配信」と、許認可事業者が独自に配信できる「高度利用者向け配信」の2種類があります。「高度利用者向け配信」は対象地点の地盤情報等を加え高精度な地震速報を配信できることが特徴です。
- 一般向け緊急地震速報
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- テレビ・ラジオ・防災行政無線などを通じて発報
- 震度5弱以上の地震が予測されたときのみ配信
- 震源・エリア表示(震度4以上の地域)
「強い揺れに注意」というお知らせのみ
- エリア
- :広→狭
- 配信頻度
- :一部→都度
- 到達時間
- :なし→配信
- 精度
- :低→高
- 高度利用者向け
緊急地震速報システム -
- 震源の位置・マグニチュード・発生時刻より予報事業者が予想震度・猶予時間の計算をして配信
- 予報精度は予想震度計算で用いる地盤情報のスケールの差等により予報事業者によって異なる(1kmメッシュ〜ピンポイント地盤判定)
高度利用者向け緊急地震速報システム:Ai-SYSTEMの特徴
大学の研究成果を活用した精度の高い緊急地震速報システムです
愛知工業大学の地域防災・企業防災に関する研究から生まれた精度の高い高度利用者向け地震速報システムです。立地点ピンポイントの予想震度を高精度に予想することで設備停止の必要性判断等にご活用いただけ、企業・団体・教育機関のBCP対策に最適です。
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立地点ピンポイントの予想震度を提供
専門家が地盤を判読し、高精度な震度を予想します。
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活用場面に合わせた制御・表示の対応
予想震度や猶予時間によって、制御する機器を選択するなど、高度な機器制御が可能です。また、個々で使用するパソコンや共有スペースのモニタに表示するなど、事務員などへの報知も可能です。
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他拠点の状況も一目で把握
他工場や他事業所、グループ会社など、他拠点の予想震度を一目で把握でき、初動体制の情報入手が可能です。
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安定した配信実績
現在企業や大学など約70事業所への配信しています。また、緊急地震速報の活用方法の提案も行っています。
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さまざまな報知方法に対応
表示端末(FTE)を使用し緊急放送だけでなく、生産設備制御や振動型報知機への制御も可能です。
Ai-SYSTEM 地震発生時のお知らせ方法
地震発生時にシステムと連動した放送でお知らせ
Ai-SYSTEM表示端末と放送設備を接続することで指定震度以上(例:震度5弱以上)地震発生時に放送設備と連動し構内へ地震発生のお知らせの放送を行います。避難や緊急停止処置等が必要になる大きな揺れを伴う地震発生時に従業員様や来客者様へいち早く情報提供を行い、安全確保を促すことが可能です。
地震発生時にPC画面や共用モニタでお知らせ
表示端末と利用中のOAパソコンにAi-SYSTEM緊急地震速報「表示ソフト」をインストールいただくだけで、緊急地震速報を受信できるようになり、指定震度以上(例:震度5弱以上)の地震発生時にデスクトップへ表示ソフトがポップアップし、地震を視覚的にお知らせします。(音声も再生可能)
Ai-SYSTEMの機能説明動画
展示会 豊田ものづくりブランドで紹介されたAi-SYSTEMの機能説明動画がご覧になれます。
Ai-SYSTEMの仕様について
Ai-SYSTEMの配信イメージ
- 日本全国に設置している地震計(約1,690箇所)を利用し、地震波をいち早くキャッチ
- 地震波を基に、気象庁で震源や規模等を自動計算し、気象業務支援センターから愛知工業大学地域防災研究センターへ緊急地震速報を配信
- 地域防災研究センターで受信した緊急地震速報をユーザのAi-SYSTEMサーバに配信
- Ai-SYSTEMサーバで受信した情報を基に、ユーザの各拠点での予想震度、猶予時間を解析
- 各拠点へは様々の周知方法を利用し、予想震度・猶予時間を配信
Ai-SYSTEMの配信フロー
- 地域防災研究センターからは緊急地震速報を2系統(冗長化)で配信
- インターネット回線を用いて各ユーザのAi-SYSTEMサーバに情報を配信
- Ai-SYSTEMサーバは仮想サーバやクラウドサーバも利用可能(OS:Redhat系Linux)
- 表示端末や表示ソフトへの配信はイントラネットを利用可能
表示ソフト
- 緊急地震速報の内容と計算された予想震度、猶予時間を表示するデスクトップアプリケーション
- 普段お使いのWindows10パソコンにインストール可能
- 平常時はタスクトレイ内に収容、設定した予想震度でポップアップ表示
- 自拠点だけでなく他拠点の予想震度を一目で確認可能
- 緊急地震速報の配信履歴や各種通信状況の確認が可能(管理者向け)
- 表示ソフトからの訓練も可能(管理者向け)
- W-infoを併用することで気象情報の受信も可能(オプション)
表示端末(明星電気製S740ーD)仕様
- 設置地点の予想震度・猶予時間を表示
- 高輝度LED表示により遠くからも確認でき、広い工場でも視認性バツグン
- LAN接続のため設置場所の自由度が高い
- 設定に応じたメッセージ(メッセージは固定)を内蔵スピーカより音声出力可能
- 複数台を設置可能
- 1台につき8系統の接点を出力
- ボタン一つで訓練報を簡単出力
- HDDドライブや冷却ファンを持たないシンプルな構造のため駆動トラブルがありません
接点出力 | 8接点、a接点 うち1接点はb接点切替可 容量:AC/DC 60V 400mA以下 |
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音声出力 | 内部スピーカー 8Ω/1W 音圧80dB(50cm 離れて) 外部スピーカーミニPINジャック3.5φ 8Ω 0.5W MAX (内部を切り替え) |
ライン出力 | ミニPINジャック 3.5φ 600Ω 不均衡 +5dBV(最大) |
LANインターフェース | RJ-45 2ポート 10/100BASE-T IPV4またはIPV6 緊急地震速報受信用/再配信用 |
CFカード | 標準添付品 |
電源 | AC100V±10% 50/60Hz 16W以下 |
内蔵記憶媒体 | コンパクトフラッシュ(当社指定) |
寸法・重量 | W200×H230×D62mm 約1kg |
使用環境 | 温度0℃〜40℃ 湿度20%〜90%RH(無結露) |
設置条件 | 屋内専用、壁掛け(専用金具付き) |
バッテリー | オプション(型番: S740-BT1)保持時間10分 |
表示端末(パトライト社製FTE-D04)生産終了
パトライト社製 緊急地震速報表示端末 FTE-D04とも連携が可能です。
緊急地震速報の特性と限界について
- 時間
- 速報を発表してから強い揺れが到達するまでの時間は、長い場合でも十数秒〜数十秒震源に近いところでは、速報の発表が強い揺れの到達に間に合わないことがあります。
- 誤報
- 1観測点のデータを使っている段階ではノイズ等により速報を発表する可能性があります。 (事故や落雷、機器の障害等も含む)
- 地震規模等の推定の課題
- 特に大規模な地震に対しての推定精度の限界 – 地下の断層の破壊の途中に速報を発表してしまうことがあります。(断層の大きさと位置が未確定)複数の地震が時間的・空間的に近接して発生した場合に、地震を適切に分離できず、的確な速報を発表できないことがあります。
- 震度予想の課題
- 統計的な距離減衰式による震度予測の精度の限界があります。表層地盤における増幅予測の限界があります。
詳細な情報は気象庁のホームページにてご確認いただけます。
http://www.data.jma.go.jp/svd/eew/data/nc/shikumi/tokusei.html